データー:お茶屋さん(静岡県、東京都内)に聞いてみた
<使っている急須は?>常滑焼きが主
<理由は?>使いやすい、美味しくでる。
急須の中にお茶の葉をこすために取り付けてあるアミ(網)、このアミは実に様々な形、材質、 取付け方法があり、また茶の種類や使用用途によってこれが一番良いとは言い切れない面がある、 しかしそれではこのコーナーの意味がないので上記の常滑急須にあう”お勧めの網”を選んでみたい。 必要条件としてまず実用的でなければならない。急須1個で普通煎茶から深蒸し茶、茎茶、粉茶まで カバー出来しかも衛生面も考慮したい。
陶器製のアミ
お茶を美味しく入れれるアミは急須と同じ材質で出来ている陶器製のアミ
が一番だが(金属類を使用していないので金属臭がない、昔はみなこれであった)これは使ってみると
わかるのだが、粉茶や深蒸し茶をいれるとアミ穴が大きいので茶碗に葉っぱがでてしまう、また詰まり
やすいのが難点だ。最近陶器製でアミの穴を多く開けた急須もあるがやはり金属製のアミに比べ穴の数
が少ないので詰まりやすく、また陶器製ゆえアミ本体の厚みがあるため茎茶などを入れると穴に入って
しまい茎がふやけて穴を塞ぎ水洗いだけでは取れにくいといったお客様の意見もある。その方はアミを掃除中につい力が入ってしまい
陶器製のアミの一部が破損してしまった経験があるという。美味しく出るのは陶器製なのに普段家庭で
使用するとなると問題点も残る、残念だ。
余談:私はある時アウトドア専門店で衝撃を受けた「チタンで作ったコップ」を見たのである、今までのステンレス製はどうしても金属臭がしてホーロ製のコップを使っていたのだがこのコップを購入し試した所それがしないのである。つまりイオン化が殆どないので口当たりも自然でお茶のデリケートな味にもピッタリなのだ。そこでヒラメイタ!
このチタンで急須のアミを作ればいいのではないだろうか?
アミに止まらず急須本体もどうであろうか?急須製造の皆さん是非チタンで作って欲しいものである。
(チタンは高価で加工もしにくいそうだが日本の技術をもってすれば可能なはずだ)
陶器製の「細目アミ」 ステンレス「さわやかアミ」 クリックで拡大 |
写真1 |
写真2 これは上の状態から3分後に撮影した画像である、細かい粒子が沈殿し下部の2個の茶碗の様子がわかって来た。 意外にステンレスの茶漉しの方が少しではあるが粉が多く出ている。ステンレスはアミの表面積が今回使用した陶器製細目よりも大きいためこのような結果となった 、陶器製は表面積がステンレスアミの約半分でありまた二煎目なので粉や葉が水分を吸って大きくなり穴を通過しにくくなるようだ (帯状のアミは詰まらない急須ではあるがその分さらに粉が多くでる) |
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※様々なお茶を淹れて思うのだが深蒸し茶や粉茶など細かいお茶をいれる時に注意したいのは「茶漉し部分の表面積」である、深蒸し茶用、とか粉茶用とか提示してある急須やポットを購入して驚くのは「茶葉が詰らない」のを前面にだしている点で詰まりにくい、しかしそのぶん細かい茶葉が茶碗に出てしまうことまで考慮していない、特に一煎目はまだ茶葉が膨張していないのでアミの表面積が大きくなればなった分だけ通過してしまう茶漉しは必要最低限の大きさで十分である、後はテクニックで補うのがいい
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■金属製のアミはどうだろう。金属製のアミは現在ステンレス製とフッソ加工されたアミがあり アミの形は様々でそれぞれ特色をもっている。金属製のアミに共通している点は陶器製に比べ詰まりにく く粉っぽい深蒸し茶くらいならまず大丈夫だ、また多少歯ブラシ等でこすって掃除しても弾力があるため 安心して専念できる。また茶渋がついて目が狭くなったり、変形したりした時にはアミが取り替え可能な 急須もあるのでありがたい。さらにフッソ加工されたアミなら金属臭もなく茶渋などもつかず衛生的で お勧めだ。ただ変形しやすいため指で押したりしても隙間が出来る事もあるのでそんな時は取り外して成型してから元に戻してやると良い。
以上のことからまずアミの材質は金属製でステンレス製、フッソ加工されたものならなお良い。
次にアミの形だが大きく種類を分けると二つに分けられる、カゴ型と板型である。 まずカゴ型からみてみよう、急須の中にスッポリ入るアミであるからなんと言っても茶葉を捨てるのに 楽であり茶葉を急須から捨てるとき水も節約出来る、またカゴ型ゆえ取り替え可能であり清潔である。
板型は種類が多く平板網、半球状網、帯板網、などでこれらは急須になんらかの方法で固定されている、
そしてこの手の急須が一番多く出回っている。
それではカゴ型と板型はどちらがいいのだろうか?これは次回(その4)でみてみよう。