多人数の時に頼りになるサーバー方式による試行 | ||
※「美味しく淹れたい」と「経済的(茶葉の量を少なく)」とは相反しているためその中間を考慮しながら試行したつもりです | ||
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多人数の時に頼りになるサーバー方式による試行 |
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人数と茶葉量のグラフ 1 |
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湯温(急須に入れる湯の温度)は70℃固定 x軸はカップの数(個) 例xが10ならば湯量は2000cc y軸は茶葉のグラム数(g) 茶葉は100g500円を使用 |
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前回の廻し注ぎ方式で実践した経験をもとにA点からL点まで適宜、湯量とグラムを変えながら茶をサーバー方式を主体に淹れ出来上がった茶を飲み評価しそのご相関を仮定しながら数式化とした。 xが10(2000cc)止まりなのは茶を入れる道具の制限(入手しやすい大きさの急須)により実際に試行は行ってない |
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5√x(緑色破線)のJ、L点は味は薄く香りも少ない、7√x(青色実線細)付近のKA、E、C、Qから味わいも出てくる、8√x(青色実線太)ではコクもあり、ほのかな甘みもあり美味しくなってくる、9.5√x(赤色実線)ではコク、渋みの中にも甘みもあり少し渋い方好み(私個人としては経費を考えなかればこれで淹れたい!) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
容量と浸出時間のグラフ 2 |
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湯温70、80℃下において一度で淹れる時と三回(二回含む)で淹れる時の総浸出時間のグラフ x軸は湯の容量(cc) y軸は総浸出時間 (秒) |
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「人数と茶葉量のグラフ 1」で投入するグラム数が判明し、次に重要なのはお湯に茶葉が浸っている時間も考慮しなければ美味しいお茶はできない。そこで「容量と浸出時間のグラフ 2」を作成した。 ※実際には湯量と茶葉の量、そして浸出時間は関係が深いため同時進行している |
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サーバー方式といえども一回で作ってしまうか、数度に分けて作るか2種類の方法があるためその違いをみてみよう | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これは経験からだが廻し注ぎ方式で淹れる方法とサーバー方式で作る方法とではお茶の美味しさや風味が違ってくることがある、同じ茶葉14gを使用し一回で一度で800cc作る(浸出時間は143秒)と味が薄く香りも味わいも無い、浸出時間が足りないかと考え同じ条件で180秒とした時には色が悪くなり苦味が目立った。 ところが同じ条件で800ccのお湯を約三分割にし(270cc)それを45秒で一回目を入れ絞りきった次に二回目、三回目と淹れサーバーの急須に800cc分の茶を貯める、浸出時間は45秒の3倍で135秒これに次にお湯を入れる動作が2回分の約15秒あるので掛かった時間は150秒。 このようにして三回に分けて一つの茶を作る(お茶用語では三煎目まで使用するという)と一回目で行う143秒とほぼ同じなのに見違えるように美味しく作る事が出来る。 |
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もう少し検証してみた
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実用化グラフ |
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例 深蒸し茶840円を購入して800ccのお湯を用いてお茶を淹れたい 人数と茶葉量のグラフ1よりx軸の800ccを選択 湯温75℃で、濃くのある茶を作りたいし、茶葉も節約したいので14gを選択 容量と浸出時間のグラフ2より2回で淹れたいので 複数回出しの赤色点線と青色点線を選ぶが温度が75℃なのでx軸800ccの所の上、中間の50秒を選択 (準備完了) 1、業務用土瓶に茶葉14gを投入し約400ccの湯(75℃)を注ぐ 2、40秒後に別の急須に注ぐ(注いでいる内にグラフの50秒となる) 3、二回目の残りのお湯を注ぎ同じように50秒で注ぎ切る。 4、一つの急須に濃度の均一な茶が出来上がり 茶の温度は約61℃、出来上がりの量は730cc 5、それぞれの茶碗やマグカップに注ぎ分ける (もちろん廻し注ぎは必要ない)
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例 大きめのマグカップで10人分計2000cc淹れたい x軸は人数 y軸はグラム数 (湯温度80度) 200cc/人とする 例えば、、マグカップ200ccで10人にて美味しく淹れたい場合 事前準備 茶葉22g 湯80℃のもの2000cc 用具は1000ccの急須1個(詰まらない急須 ※カゴ網不可)、サーバー用急須1000ccまたはポット1個 ※今回は茶葉はグラフより青色実線細の値 y=7√x から約22g ※一度沸騰したお湯2000ccを約80℃に冷ましたもの(マグカップ10個にそそぎ湯冷ましして保温ポットに貯湯) ※2000ccの湯を一回で出そうとすると茶葉の効率、器具などの問題で難しいので1000ccを2回とする(二煎目まで使用 、ただし可能ならば2000ccを3分割で660ccにして三回に分けてやるとなお良い)
淹れ方 1、茶葉22gを急須にいれ、湯を1000cc注ぎ約50秒後に10秒かけて(合計60秒)サーバー用ポットに移す 2、サーバー用急須またはポットに2000ccの容量があればそのまま貯茶、なければそれぞれのマグカップに移す。 3、2煎目も同じように60秒かけて淹れサーバーに移す。 4、サーバーに貯茶された茶をマグカップに注ぎわける。 ※この方法であれば一度に2000ccの茶がつくれるので茶碗が100ccに変わっても合計20杯作れる 、しかし400cc以上のお茶をいれる場合すべてにいえる事だが茶葉の量も増え湯量も増えるので60ccを5人分6人分淹れるのとは味が違ってくる、2000ccで本当に「うまく美味しく」淹れたいのならば300cc位のお湯で10g程度を廻し注ぎ方式を導入しつつ3セット行い貯めておけば渋み、苦味、甘み、香りと4拍子そろったお茶が作れる。 ※濃度調整でいちばん簡単なのは「浸出時間(茶葉がお湯に浸っている時間)」を多少長め+10秒から20秒とする、もう少しレベルアップしたければ「茶葉」の量をグラフでは黒い線 8√x で25gとするとなおコクがあるお茶通好みのお茶が出来上がる ※茶葉によっては湯温70度の方が美味しくでる場合もある。また三回に分ける時は80℃より幾分低目の温度が良い ※急須や土瓶などサーバーにみたてて貯めておけば20分程度ならば色もそれほど変わらないので宴会会場などで活用可能 |
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器具選びついて | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
試行中に気がついた事だが重要なポイントがある | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
茶葉の量が多いため浸出時間を過ぎてもヤカンや土瓶が茶葉で詰まって濃くなってしまい時間通りうまく淹れれないのである。使用した深蒸し茶は茶葉が柔らかいためこの現象が顕著だがこれでは美味しいお茶が出来ないので実験中にこの業務用土瓶を選ぶ事で解決した。 | 大きな土瓶になっても茶濾しの作りが小さい急須と同じ大きさの急須もあるのでやはり大きな急須には大きな茶濾しが必要であると思う私は思う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
もっとこだわるならば以下参照 |
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容量800ccともなればこのようにアミは大きいのを選ぶと良い、しかしもう少し考慮するならば深蒸し茶など細かい葉を使用するきは下記のことも考えてみよう。 (写真は大きな平アミの急須) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Aの取り付け方法 急須本体を作ってから口の漏斗部分を取り付ける方法(一般的な方法) |
Bの取り付け方法 漏斗部分は急須本体と一体成形のため開口部が大きく段差が無い |
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Aの急須は一般的な取り付け方で2,3合位までならば問題無い | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
しかし、4合以上の急須で茶葉を多く使用する場合にはこのBの方が出が良い | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ここでの淹れかたはすべての茶葉にはあてはまらないが変数が多いため基準がないとどこから始めていいのやら困惑してしまうため試行してみました。 参考にして温度や量、浸出時間を変えて試してください、ご自分で試行して「おいしい!」といわれる淹れかたをマスターしてくだい。
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高温でいれれば 甘みよりは渋みが強調され低温ならば渋みは抑えられ甘みが強調される事を常に考慮してください。 また、大勢の時は一度に作らないで2,3回に分けて作ってあげると茶葉も無駄にならず美味しいお茶が出来上がります。 福山堂製茶(四代目お茶きん) Fukumoto提供 |