意外に知られていない急須の選び方(その5)1997/1月6日 | ||
前回(その4)ではカゴ型はお茶が美味しくでない!という結論を得たが、もう少し工夫してカゴ型でも 美味しくだす方法はないのか考えてみよう。 とにかく、カゴ型の急須で板網型の急須の様な状態を作ればいいはずだ!! その状態とは... | ||
1、小さいカゴはやめて大きいサイズのカゴにする
2、急須の底までカゴの底が届く様にする |
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1の大きいサイズのカゴとは急須内側のサイズに近く、葉をいれお湯を注いだ時に葉が十分に移動でき葉の開くのを妨げない大きさのことである。 2の急須の底まで届くアミにする事により一人分でもお湯の量が少なくて済み美味しくでる。 |
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それでは実際にカゴを選んでみよう!!...なんと問題点続出!(~_~;)
まず、急須(その4で使用した物)が球型のため急須自体のフタの径が急須本体の最大径よりもかなり小さく なってしまいフタの直径よりも大きなカゴを選べないことである、つまり1の状態を作れない。また球型ゆえ高さもあり深いタイプの カゴを選んでも底まで届かない。 |
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教訓1−球型急須で高さがある物はカゴ網には適さない。寸胴タイプに近い急須を選ぼう! | ||
気を取り直して板型急須(その4で使用)に大きいカゴ型の網をいれてみみよう。これはフタの径も大きので大きいサイズのカゴを
選ぶことが出来た、しかし大きい径のカゴを選ぶと当然のことながらカゴの高さも増し急須の底まで届くのだが今度は上にカゴが多少
飛びでるのでフタが浮いてしまうのだ。ウーンどうしよう... ところが幸いなことにステンレスの網なので変形できるのだ。カゴ自体の上下を少し潰して急須の中に うまく納まるようにしてみた。 |
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これでやっと実験ができる(^o^)。 同じ量の茶葉、お湯の量をいれ時間も同じくしていれてみた。さて味は? 左側の板型と右側のカゴ型急須、写真でも判断出来る通り濃度はかわらないし味も板型と殆ど変わらない。 また大きいカゴゆえ急須を振ると中のお湯と茶葉が上手く揺れ、板型と同じくらいの使いよさである。そして もしカゴ網の金属臭が心配ならフッソ加工のカゴ網を選ぶと良いだろう。(フッソ加工のカゴアミは数年前まであったがサイズが限定されていたため現在は販売されていないようである) |
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まとめ:カゴ型の急須の選び方として次の点を考慮しよう。 | ||
1 カゴ網と同じ形状の急須を選ぶ事 (カゴはなるべく急須全体に広がる様に大きい方が良い) |
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2 急須の底までカゴが着く様にする事 (1人分でも茶葉が十分にお湯に触れる事ができ、急須の中のお湯が揺れやすい) |
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3 カゴアミ急須にはカゴアミならではの淹れ方がある カゴアミ急須は急須の大きさにもよるが380ccクラスの2,3人用の一般的な急須で淹れる場合には一人分の湯量(約60cc)では不向きである、理由としてどうしても急須の底にアミが密着していないし多少何ミリかは遊びがあり底面が盛り上がり反っていたりした場合にお湯が茶葉まで届かないことが多い。こういう場合にはお湯を多く入れると茶葉まで届きうまく茶葉が開いて戻ってくれる。 380ccタイプの急須で底からアミ底まで約5mmの距離があるカゴアミ急須を使用した実験では標準の100ccタイプの煎茶茶碗7,8分目(約50ccの湯量)では茶葉にやっとしたる程度であり茶葉が水分を吸収してしまうのでエキスがでるまでいかないのである、これでは美味しくでない。こういう時には2杯入れてあげる50ccx2で約100ccこれでやっと茶葉上部までお湯がしみわたり開いてくる(欲を言えば150ccで完璧な状態となる)、ここで急須を揺らして茶葉とお湯が踊っているようであればokである。もちろん一人分の茶葉の量ではなく多めに葉は投入!、、、また裏技として一度カゴアミを急須半分まで持ち上げ再度落としてあげると茶葉が舞い上がり中心部のエキスがよくでていく! |
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カゴアミ急須の淹れ方 提案1 | ||
便利なカゴアミ急須ですが急須に合っていない(カゴが小さい、底まで着いていない)と美味しく淹れれません、その時に試してみたい方法です。 「方法」 湯呑の中に直接茶葉を投入し一度浸出することで茶葉が自由に広がり美味しくでます、湯呑を湯冷ましなどに変更すれば道具の数は増えますが人数分淹れることも可能です、お試し下さい、本当に美味しく出せます、またカゴアミの利点である茶葉を捨てるのは楽です。 二煎目はもう茶葉が開いているので急須に直接お湯を入れてもよいかと思います |
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何故今、カゴアミ急須か? | ||
日本茶を美味しく飲もう(カゴアミ活用編) はじめに お茶畑から茶の葉を摘み取り、蒸して、揉んで水分を蒸発させ乾燥させたのが茶葉です。 お茶を淹れるにはこの逆の行程(水分蒸発迄)となります 乾燥した茶葉に、お湯なり水などが触れると細胞内部に浸透し茶葉が開き徐々に成分が溶け出します つまり効率よく浸出させるには茶葉が自由に開かないと最適な状態で水分とともにでてきません (乾燥茶葉10gだと一、二、三煎目、、と最終的に4倍の水分約40mlを吸収し摘み取り前の生葉の重量50gに近づきます、茶を出すということは 水分を吸収し茶葉からエキス分を取り出すといことです、出来上がった飲むお茶は0.3%がそのエキスで残り99.7%は水分です) お茶専門店ではカゴアミ急須で淹れている姿をみたことがないですが、お客様に聞くと半数以上近くはカゴアミ急須が多く、聞いてみると一番の利点は「茶殻の捨て易さ」であり急須内に突起物がないため「衛生的」!したがって使用する方は結構多いという結果でした、 私はカゴアミは急須下まで着いていないとお湯が浸らず一人分飲めないし、狭い空間の中で茶葉が縦方向に重なり葉の開きを葉自身で妨害し結果 待ち時間が長くなり渋くなるといった欠点もありお茶を美味しく飲むために私は最近まで上記の理由でカゴアミ急須は美味しく出ないと考えており、 お客様に出来ることなら「カゴアミ急須は最後の選択」としてくださいとお伝えしていました、実際にカゴタイプから普通のカゴ無しに換えからお茶が美味しく飲めるようになったという感想は多くあります しかし茶葉で飲むお茶離れが進み、日本独自のハーブティーをもっと気軽に飲んでいただく茶器として意外に多い使用率のカゴアミ急須も、一つの選択肢として考え直しました。 様々なカゴアミタイプを試しましたが中にはあまりお勧めできないカゴ形状、素材もありました やはり実際に使用してみないとわからない点もありました またカゴアミは消耗品です交換可能なこともカゴアミの利点だと気が付きました さまざまなカゴアミを試した結果、共通して考慮しなくてはならない項目は 「なるべく直径の大きなカゴアミを選び急須底まで着く程度の物を選ぶ」 実際に様々な急須+カゴアミで試してみると カゴアミ急須の特徴は注ぎ分けの時に中の茶葉が揺れにくい点も美味しくでない理由と考えます、 特に葉を多く使用して一度に大人数の茶を淹れる場合はカゴアミの中の茶葉が開ききれず美味しくでないこともわかりました カゴアミ無しの急須では茶葉が自由に開き、注ぎ分けの時に茶葉は揺れ、急須の中で均一になり揺れることで効率良く成分がでます。 実際に玉露向きの急須は背が高くなく平で茶葉の重なりが起きにくい形状の方が少量の水で開きますので確かに美味しく出せます。 カゴアミを選ぶ時は急須の形状と似たようなカゴアミを選び底まで届くようなカゴアミを選択してください、 急須容量に対してフタの直径が小さい急須はどうしてもカゴアミの直径も小さくなりカゴアミ急須での使用には向きません なお、カゴアミならではの「淹れ方」や「カゴアミ急須」もご紹介しておりますのでご参照くだされば幸いです。 五代目お茶きん店主 日本茶インストラクター |
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■ アミのサイズが大きく大人数で使うなら比較的美味しくでる カゴアミ急須 はこちら | ||
今回はあえてカゴ網の急須でも美味しく出す方法を考えてみたが、
カゴ網急須はカゴ網でない急須より利点は「茶ガラの捨てやすさ」だけであるため最後の選択とした方がいいだろう (ちなみに店ではカゴ網急須でお茶はいれていない、お茶屋専門店ではまず使用していないと考える) やはりお茶は繊細な飲みものである
ゆえに、どうしたら美味しく飲めるか長年研究されて今の急須の形になっている。 |
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