あなたの急須、臭いませんか?

いつもの様に入れているお茶がある日、突然茶色にでたり、夏場にお茶が美味しく出ない(色、臭いが変)と言われる人が以外に多い!!

お客様の所で調べたところ急須の中のヘドロ状の茶葉が原因である事が多々ある。
(お茶の葉には「ペクチン」が含まれているので糊みたいに付着します、べったりついている茶葉はすぐに取り除きましょう、アミの裏側はもっとすごいことになっています、、、)

もちろん水道水の濁りや赤サビも原因の一つであるが今回は的を急須に絞って解明してみた
(新品の急須では問題ないが長い時間使用している方は必ず掃除して下さい。)

●急須の知られざる弱点

大半の急須は製造過程において本体部品を制作してから注ぎ口部品を後から取り付けるのだが、注ぎ口の部分は急須本体の茶コシ網の直径よりも大きく、そのため三日月状(みかづき)の窪みができる(左図断面の○印の部分)、ここにお茶の葉の粒子がヘドロ状に溜り、それが腐敗して異臭や味が悪くなる。
始末が悪い事に急須本体は水洗いなどで掃除するがここに溜まった汚れは死角になり掃除出来ないのである。
また下の写真にもあるようにヘドロ状のものは網の下にも付着する。
(網を簡単に取り外す事が出来る急須もあるが網が樹脂製の枠に取り付けられたりしているので不安があり私は余りお薦め出来ない。)
※最近では一体成形の急須も出回ってきました。

この左の急須はお店で半年間使用し、変な匂いがして来たので網を横にスライドさせて写した画像だが通常の水洗いでは汚れは落ちていないことがわかる。
網を横にスライドさせたためにヘドロ状態の汚れは逆に取れてしまったが網と同じ形で汚れは付着していた。また茶葉が触れている部分は汚れがないが触れない網の下や注ぎ口の裏にはご覧のように汚れが残る。
つまり茶コシの部分が大きい急須(帯状の茶コシや底アミ)ではお茶が詰まらない分この汚れは広範囲に及ぶしアミは取り外せないものが多く
、使い始めは良いが使用期間が長期に及ぶと美味しく出ないばかりか衛生面にも良くない、 使用後はすぐに水道の水圧にて外から口、内側の掃除をお勧めするが帯形状のものは取り外しが出来ないのでアミの内側とそれに挟まれた内壁は物理的に掃除できない(店で急須も取り扱っている関係上、お客様が「帯状の茶コシの急須を家から持参してコレと同じ物をくださいという方がいるがフタを取っ手みると中から黒い水が、、、かび臭い臭いとともにこぼれてくること が多い、帯形状のアミはトラブルが多いことを実感する、帯を選ぶ方は掃除方法に十分注意していただきたい)こちらも参照
※茶コシ部分の面積が大きければ大きいほど茶葉や茎が刺さりやすくなり掃除しにくい。
※陶器製の本体と同じ茶コシは御使用後に必ず水の水圧で急須口から水を注入してその後、桶やバケツに水を張ってその中に1時間以上急須全体を漬けておくと付着した粉や葉が剥がれてくるので洗い流すとよい。

 
そこで網を外して歯ブラシや高圧洗浄すれば左のように簡単に綺麗になる。私が急須3(交換可能なアミ)をお薦めする訳はここにあり固定は一箇所のみで簡単に外せ掃除が出来るのである、もちろん普段の使用でアミは外れる事はない。
(急須のフタがのる棚の裏側も洗いたい)

後は下のように専用ブラシで口の方から入れて掃除をすれば良い。
お薦めの急須(さわやかアミ使用急須限定)ではアミをスライドさせて掃除出来るので担当者お薦めの一品である。

 
kyusugomi.jpg (61764 バイト) 使用中の急須を割ってみたところご覧のように棚の内側にも付着しているのでお忘れなく。(画像クリックで拡大)

また左写真のようにアミを取り外すとある一定の所見があることがわかる、それは本体は綺麗でもアミの形のまま内側に汚れやヌメリがついているということである。知っていると知らないでは、、、。
取り外せないアミの掃除にはこれ 主にアミの内側 、急須口に付着した汚れを落とすのに使います
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  お湯を入れて、澄んでいるナと思っても、、、
●掃除のコツ
ブラシで掃除するとご覧のように茶色の浮遊物が、、、
まず注ぎ口からブラシを いれあらゆる方向に動かして汚れを取るのだが、針金の柄を器用に曲げて例の三日月の窪みに届く様に行うこと。網の方の掃除も忘れずに!
実際に掃除を行ってみると想像以上にこびり付いた葉やヘドロ状の物が出てくるので驚きます。
特にアミが取り外せない「陶器アミ」や「帯アミ」などにこのブラシは適しています。
※あまり強く押しこむと金属製のアミが外れたり、陶器製の茶こし部分が欠けたりするのでご注意ください


急須の底や内側の掃除には歯ブラシも有効だか
抹茶をたてる時に使用する古い茶筅(ちゃせん)があれば急須の内側が掃除できる、急須のアミ(特に陶器製)をキズ付けることなく掃除できるので捨てずに活用すると良い
※先が丸くなっている新品の茶筅では茶渋などがうまく取れないので先が竹箒のようになった使い込んでいる茶筅がお勧めですヨ
長い間使って愛着ある急須もブラシで掃除すれば蘇りますが、茶渋も気になりはじめたら、 最後の手段として漂白剤を使用します。(実はあまりやりたくないですが..この方法しかなくて..)金属製の茶コシならば急須から外して(金属は漂白にむかないため)、匂いの少ない酸素系の食器用漂白剤を薄めて使用して下さい。ただし完全にヘドロ状の堆積物を除去してから行って下さい。

綺麗になりましたら急須に茶コシ部分を取り付けますがこれがまた厄介で上手く取り付けないと一度変形した茶コシは元に戻りにくく葉っぱが出てしまいます、また掃除好きな方がよくする事ですが茶コシの金網部分を指で強く押さえたり硬いブラシでこすって変形させてしまったりして急須の機能がそこなわれ使えなくしてしまうことがあるので注意が必要です。

※急須を長年使用していると茶葉が常時触れる底には比較的汚れがや茶渋がついていない事に気が付く、急須の内側の上部やアミや急須口に汚れが目立つ、また堅いお茶(茎茶)などでを使用していると案外綺麗である。これは常時葉が触れる事で少しづつ付着した汚れを除去しているであると考えられる。
 

洗った急須の乾燥方法

洗った急須の乾燥は伏せても良いが、棚の内側に水滴が溜まってしま完全に乾燥できないので、できれば急須口を下にして置けばなお良い、右の図のように2個の急須を 交互に使用しても良いしマグカップなどをうまく使って乾燥させればよいと思う
※陶器同士が触れ合うので置くときは静かにおくこと
私が考案した「急須干し台」
ハンガー(針金タイプ)を変形させて簡単に急須干し台が完成
ポイントは重心が前方にかかること

 

このように使用するが、結構約にたちます

 
 一日の終わりに、、
急須の漬け置き 一日終えたら水に漬ける
基本は一日使用したら桶に水を張り急須が隠れるくらい水を張って一晩置く、細かい貼り付いていた茶葉も剥がれてきて掃除が楽!
後は軽くブラシなどでお手入れすればいつも綺麗にしようできる、普段はこのようにしてお手入れし約一週間おきにアミを取り外して清掃する、急須と一体になっている陶器アミ、茶濾しは口から急須専用ブラシで清掃する(陶器アミの穴は破損しやすいので針金などでツッツイてはいけません)
   

◆常滑焼組合さんが「急須のじょうずな使い方」としてピンクのシオリを入れてあるものが一部の急須に入っております。内容は「茶こしの汚れ、目詰まりは、急須の中にぬるま湯と食器用の漂白洗剤を少々入れ一晩置きますときれいになります。使う前によく水洗いしてお使いください。」という簡単な指示です。これは非常にアバウトで原液での漂白剤の使用量がハッキリと表示されていないので小さい急須に至っては入れすぎが起こり洗剤の匂いの除去に大変です。

◆某洗剤メーカーでは5リットルの水に約50cc入れ薄めて使用するのが食器漂白の大原則ですからこれを急須にあてはめると約2合の急須(360cc)に水をいっぱい迄張って3.6ccの洗剤で良いわけですから小さなスープン一杯分位です、ほんの少量で良いという事になります。
また、ご存知の様に急須を使用してみると茶渋以外に「取れない茶葉の堆積物」があちらこちらに付着しますのでこの状態で漂白剤を使用しても堆積物に洗剤の匂い、もしくは洗剤そのものが残りお茶がまずくなってしまいます。 酸素系の漂白剤は匂いの点で塩素ほど神経質にならなくても大丈夫ですが欠点は落ちが塩素ほどでないこと、また乾く白くなってしまう事です。
そんな理由で当ホームページには1に「原則として漂白剤は使用しない方が良い」、2に「使用する場合は金属類、堆積物を取ってから、、」とご案内しております。

漂白剤は化学物質の酸化、還元反応を利用して色素を分解させているだけで物理的に茶渋を取り除いているわけではないため漂白だけではまたすぐに茶渋の温床になってしまいます。
普段のお手入れは水道水の強い水流で急須口からも清掃し、一ヶ月に一度は 取り外せるアミは外し「歯ブラシ」や「メラミンフォーム」で付着した堆積物を除去してください(急須は陶器や磁器で出来ていますのであまり無理な力は禁物です)
 

左側の急須と右の急須は同じ時間使用し水洗いでここまできましたが、左は水洗いのみで底には着かず内側に茶渋が付いています(実は急須の底は茶葉が触れるため茶渋は除去され底よりも内側に多くつきます)、これを漂白剤を使用せず右のように綺麗にすることができます。
いろいろ試してみましたが、固めの歯ブラシをバーナーで温めて写真のように変形させて、食器洗い機用洗剤を歯ブラシにつけ擦って落とします、実はこの自動洗い機用洗剤には細かい研磨剤が入っているため落ちるのです。(研磨剤の入ったハミガキ粉でも可)また一生懸命やると疲れてくるのでちょっと休憩し次はスポンジの消しゴム「メラミンフォーム」でまんべんなく擦ってあげますとこのように頑固な茶渋も落とせます。
※急須によっては物理的な除去をしない方がよいものもありますのでご注意してください。
 

ここだけの話ですがお茶屋はあまり急須に茶渋がついても気にしません、茶渋自体は素焼き急須では目を詰めらさせて吸湿性を防ぎ防腐効果があるからです。ただし茶の堆積物が溜まると味や香りをそこなうため特にペースト状の堆積物(アミの裏側に多く着きます)はかならず除去しています


◆どうしても漂白したい方への一般的な事項
磁器製と陶器製ではお手入れの方法も違いますので注意が必要です。(常滑焼は陶器 と磁気の間くらいの焼きです)
急須に限らず陶器製の食器では洗ってもおちない黄ばみなどの汚れがついた時に、薄めた市販の漂白剤(5リットルの水に洗剤を50cc)に一晩浸すのが効果的です。但し漂白後は臭いがなくなるまで十分にすすぎます。漂白剤の匂いがとれない場合は煮沸してみてください。また赤絵や金彩などの上絵付が施されているものは変色する可能性があるので、漂白剤の使用は避けます。陶器は吸水性が高いので、洗った後、生乾きのままで収納するとニオイやカビ・シミの原因になります。洗い終わった器は、最後に熱いお湯を通すことで汚れもしっかり落ち、乾きも早くなります。そして、十分に自然乾燥をさせて収納します。

漂白後に注意することは「塩素臭」です、綺麗になった急須を早く使いたいものですネ、でもまだ多分お湯を入れると塩素の臭いがするはずです、塩素臭を消す一番良い方法は「一度、お茶を淹れる」です! 塩素とお茶のビタミンCで還元作用がはたらき臭いが一発で消えます。やり方は急須に5gほど茶葉を入れお湯を溢れるくらい入れ5分ほど待って急須口からこぼせばよいでしょう。
この方法は他の陶器類でも使えますのでお試しください。

※余談ですが中国では「養壺」(ヤンフウ)という言葉があり急須(茶壺)を育てることを意味しております手入れも洗剤を使用せず熱湯で洗う原則があります。付着した茶渋は財産です良い急須(使い込んだ急須)ほど高い価値があるといわれております。
但し中国茶の大半は日本茶のように蒸して製造しないため茶葉が細かくならず沈殿物も少なく急須にも堆積物も溜まらないため手入れは楽だと思います。


番外編「セラミックボールを使ったコロコロ掃除」
物理的な除去でなにかいい方法がないかと考えました、、、
1、急須の生地を傷めない→転がる物体
2、ザラザラしている表面→ヤスリ効果
3、何度でも使用できる→セラミックなので長持ち
いろいろ考えて、これにしました
焼き芋などに使うと美味しくなる遠赤外線「セラッミクボール」を選択!
10日ほど使用した急須です、底の周りが茶渋で汚れています他に細かな茶葉も付着しています。
この急須で実験です
セラミックボールを一度水洗いし急須の底に入れます、水は急須の半分程度、フタをして水平にグルグル廻します。
時間は約3分(結構疲れるので途中休んでいます)
ゴロゴロした感触が伝わってきますのであまり強く廻していません
フタを開けてビックリ、水が汚くなっています
茶碗に注いでみたら汚い水が出てきました、多少ぶつかり合ってボール自体が削れてるようです
完璧とはいえないまでも結構茶渋やこびり付いていた茶葉が取れていました、但しアミ部分はあまり綺麗になっていません。
※陶器のアミ茶漉しの急須にはむいていません
生地が柔らかい急須では傷めることもありますのでくれぐれも細心の注意で行ってください。
  ボール自体は乾かしてなんどでも使用できます

急須の網の取り外し方はその取り付け方によって違いますが、 下部が一点または二点で止めてある急須のようなものであれば簡単に取り外し取り付けが出来ます (ステンレスのアミは基本的に後付ですから外せるものが多いですネ)

◆網を親指で軽く押しつける様にして急須の内側を溝に沿って横にスライドさせます。そうすると網が外れます。
 または割り箸を急須口から入れ押し出します

◆取り付ける時は網を綺麗にペンチなどで整えてから取り外した手順とは逆に急須の溝に沿うように網を押し付けながら口の方までスライドさせます。この時に網の先端が急須の口の元に引っかかりますが急須の口から割り箸などを入れてガイドしてやると上手く出来ます。 急須によっては下部の止めに先に入れてから位置を決めてアミの上部を本体に押し込みます

 

急須の洗浄の紹介    急須をお持ちになれば「ステンレスアミ」の取替、洗浄を行います(有料)
当店では上記の掃除の仕方にプラスして時々高圧洗浄(左写真)を行っております。

※ノズルを直接口から差込洗浄するためブラシが届かない個所も綺麗に掃除出来るため急須にキズを付ける事なく掃除出来ます。
※急須の状態によってはアミの取替や洗浄は出来ない場合もございます

アミの取替は急須合わせてアミの切断や曲げが必要なため、担当者が不在の場合は取替ができませんのでお預かりしての作業となります(推奨)

 

 

 

 

陶器製の茶漉しの欠点を補う「ステンレスアミのカバーの方法」

陶器製の細かい穴が開いている急須も一様「深蒸し茶」も大丈夫とうたっていますがやはりどうしても「粉」がでてしまいます、そこで「ステンレスのさわやかアミ」の取り付けに挑戦しました。
ポイントは急須の底に窪みがあることです!まったく窪みが無い急須、あってもアミが固定できない物は取り付ける事は出来ません。
左の急須は長年使用した急須で棚も欠けてしまいましたがまだまだ使えます、底に少し溝があるためアミが取り付けられる可能性大です

右の図のように「さわやかアミ」の大きな物を用意し上部を少しずつ切って急須のサイズに合わせます(少しキツメに入るように)

急須の底にアミの下をまず入れて両方の親指で急須の棚の下をめがけてググっと押し込みます、少し両側にタワミができたのでもう一度アミを外しアミの上部を少し切り再度押し込み完了しました。(一度急須に取り付けてしまうとアミのバネで結構しっかりと固定されますので今度取り外す時は急須口の方から割り箸などを入れても陶器のアミがあるのでアミは簡単に取り外し出来ません、急須の内側の底の方から小さなマイナスドライバーなどを用いて取り外します)
現在、店頭にて使用しておりますがアミを外れることなく粉もでないのでメイン急須として使っております)

   

間違いだらけの急須選び


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